《非在のタブロー(キリコによる)》静岡県立美術館所蔵
L1967(昭和42)
キャンヴァス、油彩、木
101.8×82.0×8.0cmイーゼル 251.2×85.4cm
額縁入りの絵画とイーゼルの組み合わせからなるこの作品は、絵画の右半分にジョルジオ・デ・キリコが描いた絵画のモチーフが写され、もう半分にキャンヴァスの裏側が描かれている。いわゆる名画の原物の鑑賞価値は剥ぎ取られ、とり残された図像のイメージが、キャンヴァスの裏地と同等に、作品の一部を構成する素材として扱われている。
現代の水景図
この春,彼岸の一日家族で墓参りをした
その時、ささいな事が、ぼくの美的共感を呼んだ。それは墓石の黒御影石の側面を伝い流れる水の紋様の美しさであった。陽光を反射しながらの現象としての水の流れは美しい。やがて、その水の紋様は、折からの春風になぶられ淡く々蒸発しながら朦朧として、水影を見せながら、やがて消え去る。